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第16章 (第1/3页)
古いけど、ママが、この洋服を気に入ってる、と知っているトットちゃんは、一生懸命に考えた。つまり、「テツジョウモウをもぐってて破けた」といっては、ママに気の毒だから、なんか嘘をついてでも、「どうしても破けるのは仕方がなかった」という風に説明したほうがいい、と考えたのだった。やっと思いついた嘘を、家に帰るなり、トットちゃんは、ママに言った。「さっきさ、道歩いてたら、よその子が、みんなで、私の背中にナイフ投げたから、こんなに破けたの」いいながら、(ママが、いろいろ、詳しく聞いたら困るな)と思っていた。ところが、嬉しいことに、ママは、「あら、そう、大変だったわね」といっただけだった。「ああ、よかった」と、トットちゃんは安心して、(これなら、ママの好きな洋服が破れたのも仕方がなかった……って、ママにもわかってもらえた)と思った。勿論、ママはナイフで破けたなんて話を信じたわけではなかった。だいたい、後ろからナイフを背中に投げて、体に怪我もしないで、洋服だけビリビリになるなんてことは、あり得なかったし、第一、トットちゃんが、全然、怖かった、という風でもないのだから、すぐ嘘とわかった。でも、なんとなく、トットちゃんにしては、言い訳をするなんて、いつもと違うから、きっと洋服のことを気にしてるに違いない、と考え、(いい子だわ)と思った。ただ、ママは、前から聞きたい、と思っていたことを、この際、トットちゃんに聞いてみようと思って、いった。「洋服が、ナイフとか、いろんなもので破けるのは、わかるけど、パンツまで、毎日、毎日、ジャキジャキになるの?」木綿のレースなんかがついているゴム入りの白いパンツのお尻のあたりが、毎日、破けているのが、ママには、ちょっとわからなかった。(パンツが泥んことか、すれてる程度なら、おすべりとか、しりもちとかで、そうなった、とわかるけど、ビリビリになるのは、どうしてかしら?)トットちゃんは、すこし考えてからいった。「たってさ、もぐるときは、絶対、初めはスカートが引っかかっちゃうんだけど、出るときはお尻からで、そいで、垣根のはじっこから、ずーっと、“ごめんくださいませ”と、“では、さようなら”をやるから、パンツなんか、すぐ破けちゃうんだ!」なんだかわかんないけど、ママは、おかしくなった。「それで、それは面白いの?」ママの質問に、トットちゃんは、びっくりしたような顔で、ママを見て、いった。「ママだって、やってみれば?絶対に面白いから。でさ、ママだって、パンツ破けちゃうと思うんだ!?」トットちゃんが、どんなにスリルがあって楽しいか、という遊びは、こうだった。つまり、テツジョウモウのはってある長い空地の垣根を見つけると、はじのほうから、トゲトゲを持ち上げ、穴を張って中にもぐりこむのが、まず「ごめんくださいませ」で、次に、
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