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第4章 (第1/3页)
トットちゃんは、急いで、お辞儀をしてから、元気よく聞いた。「校長先生か、駅の人か、どっち?」「校長先生だよ」トットちゃんは、とってもうれしそうに言った。「よかった。じゃ、おねがい。私、この学校にいりたいの」校長先生は、椅子をトットちゃんに勧めると、ママのほうを向いて言った。「じゃ、僕は、これからトットちゃんと話がありますから、もう、お帰り下さって結構です」ほんのちょっとの間、トットちゃんは、少し心細い気がしたけど、なんとなく、(この校長先生ならいいや)と思った。ママは、いさぎよく先生にいった。「じゃ、よろしく、お願いします」そして、ドアを閉めて出て行った。校長先生は、トットちゃんの前に椅子を引っ張ってきて、とても近い位置に、向かい合わせに腰をかけると、こういった。「さあ、何でも、先生に話してごらん。話したいこと、全部」「話したいこと!?」(なにか聞かれて、お返事するのかな?)と思っていたトットちゃんは、「何でも話していい」と聞いて、ものすごくうれしくなって、すぐ話し始めた。順序も、話し方も、少しグチャグチャだったけど、一生懸命に話した。今乗ってきた電車が速かったこと。\ 駅の改札口のおじさんに、お願いしたけど、切符をくれなかったこと。前に行ってた学校の受け持ちの女の先生は、顔がきれいだということ。その学校には、つばめの巣があること。家には、ロッキーという茶色の犬がいて“お手”と“ごめんくださいませ”と、ご飯の後で、“満足、満足”ができること。幼稚園のとき、ハサミを口の中に入れて、チョキチョキやると、「舌を切ります」と先生が怒ったけど、何回もやっちゃったっていうこと。洟が出てきたときは、いつまでも、ズルズルやってると、ママにしかられるから、なるべく早くかむこと。パパは、海で泳ぐのが上手で、飛び込みだって出来ること。こういったことを、次から次と、トットちゃんは話した。先生は、笑ったり、うなずいたり、「これから?」とかいったりしてくださったから、うれしくて、トットちゃんは、いつまでも話した。でも、とうとう、話がなくなった。トットちゃんは、口をつぐんで考えていると、先生はいった。「もう、ないかい?」トットちゃんは、これでおしまいにしてしまうのは、残念だと思った。せっかく、話を、いっぱい聞いてもらう、いいチャンスなのに。(なにか、話は、ないかなあ……)頭の中が、忙しく動いた。と思ったら、「よかった!」。話が見つかった。それは、その日、トットちゃんが着てる洋服のことだった。たいがいの洋服は、ママが手製で作ってくれるのだけれど、今日のは、買ったものだった。というのも、なにしろトットちゃんが夕方、外から帰ってきたとき、どの洋服もビリビリで、ときには、ジャキジャキのときもあったし、どうしてそうなるのか、ママにも絶対わからないのだけれど、白い木綿でゴム入りのパンツまで、ビリビリにな
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