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第18章

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     「金沢から能登半島をぐるっとまわってね、新潟まで行った」

     「一人で?」

     「そうだよ」と僕は言った。「ところどころで道づれができるってことはあるけれどね」

     「ロマンスは生まれたりするのかしら?旅先でふと女の子としりあったりして」

     「ロマンス?」と僕はびっくりして言った。「あのね、やはり君は何か思いちがいをしていると思うね。寝袋かついで髭ぼうぼうで歩きまわっている人間がいったいどこでどうやってロマンスなんてものにめぐりあえるんだよ?」

     「いつもそんな風に一人で旅行するの?」

     「そうだね」

     「孤独が好きなの?」と彼女は頬杖をついて言った。「一人で旅行し、一人でごはんを食べて、授業のときはひとりだけぽつんと離れて座っているのが好きなの?」

     「孤独が好きな人間なんていないさ。無理に友だちを作らないだけだよ。そんなことしたってがっかりするだけだもの」と僕は言った。

     彼女はサングラスのつるを口にくわえ、もそもそした声で「『孤独が好きな人間なんていない。失望するのが嫌なだけだ』」と言った。「もしあなたが自叙伝書くことになったらその時は科白使えるわよ」

     「ありがとう」と僕は言った。

     「緑色は好き?」

     「どうして?」

     「緑色のポロシャツをあなたが着てるからよ。だから緑色はすきなのかって訊いている」

     「とくに好きなわけじゃない。なんだっていいんだよ」

     「『とくに好きなわけじゃない。なんだっていいんだよ』」と彼女はまたくりかえした。「私、あなたのしゃべり方すごく好きよ。きれいに壁土を塗ってるみたいで。これまでにそう言われたことある、他の人から?」

     ない、と僕は答えた。

     「私ね、ミドリっていう名前なの。それなのに全然緑色が似合わないの。変でしょ。そんなのひどいと思わない?まるで呪われた人生じゃない、これじゃ。ねえ、私のお姉さん桃子っていうのよ。おかしくない?」

     「それでお姉さんはピンク似合う?」

     「それがものすごくよく似合うの。ピンクを着るために生まれてきたような人ね。ふん、まったく不公平なんだから。」

     彼女のテーブルに料理が運ばれ、マドラスチェックの上着を着た男が「おーい、ミドリ、飯だぞお」と呼んだ。彼女はそちらに向かって<わかっ

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