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第38章

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    僕は黙って肯いた。

    直子は窓の外の月を眺めた。月は前にも増やして明るく大きくなっているように見えた。「私だってできることならこういうこと話したくないのよ、ワタナベ君。できることならこういうことはずっと私の胸の中にそっとしまっておきたなかったのよ、でも仕方ないのよ。話さないわけにはいかないのよ。自分でも解決がつかないんだもの。だってあなたと寝たとき私すごく濡れてたでしょう?そうでしょう?」

    「うん」と僕は言った。

    「私、あの二十歳の誕生日の夕方、あなたに会った最初からずっと濡れてたの。そしてずっとあなたに抱かれたいと思ってたの。抱かれて、裸にされて、体を触られて、入れてほしいと持ってたの。そんなこと思ったのってはじめてよ。どうして?どうしてそんなことが起こるの?だって私、キズキ君のこと本当に愛してたのよ」

    「そして僕のことは愛していたわけでもないのに、ということ?」

    「ごめんなさい」と直子は言った。「あなたを傷つけたくないんだけど、でもこれだけはわかって。私とキズキ君は本当にとくべつな関係だったのよ。私たち三つの頃から一緒に遊んでたのよ。私たちいつも一緒にいていろんな話をして、お互いを理解しあって、そんな風に育ったの。初めてキスしたのは小学校六年のとき、素敵だったわ。私がはじめて生理になったとき彼のところに行ってわんわん泣いたのよ。私たちとにかくそういう関係だったの。だからあの人が死んじゃったあとでは、いったいどういう風に人と接すればいいのか私にはわからなくなっちゃったの。人を愛するというのがいったいどういうことなのかというのも」

    彼女はテーブルの上のワイン?グラスをとろうとしたが、うまくとれずにワイン?グラスは床に落ちてころころと転がった。ワインがカーペットの上にこぼれた。僕は身をかがめてグラスを拾い、それをテーブルの上に戻した。もう少しワインが飲みたいかと僕は直子に訊いてみた。彼女はしばらく黙っていたが、やがて突然体を震わせて泣きはじめた。直子は体をふたつに折って両手の中に顔を埋め、前と同じように息をつまらせながら激しく泣いた。レイコさんがギターを置いてやってきて、直子の背中に手をあててやさしく撫でた。そして直子の肩に手をやると、直子はまるで赤ん坊のように頭をレイコさんの胸に押しつけた。

    「ね、ワタナベ君」とレイコさんが僕に言った。「悪いけれど二十分くらいそのへんをぶらぶら散歩してきてくれない。そうすればなんとかなると思うから」

    僕は肯いて立ち上がり、シャツの上にセーターを着た。「すみません」と僕はレイコさ

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