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第52章 (第1/3页)
まあ仕方ないから外してあげたわよ、私。ぴったりしたシャツ着てたもんだから、そのボタン外してね、そして背中のホックを外したの。十三にしちゃおっぱいの大きな子でね、私の二倍はあったわね。ブラジャーもね、ジュニア用のじゃなくてちゃんとした大人用の、それもかなり上等なやつよ。でもまあそういうのもどうでもいいことじゃない?私ずっと背中さすってたわよ、馬鹿みたいに。ごめんなさいねってその子本当に申しわけないって声で言った、そのたびに私、気にしない気にしないって言ってたわねえ」
レイコさんは足もとにとんとんと煙草の灰を落とした。僕もその頃には葡萄を食べるのをやめて、じっと彼女の話に聞き入っていた。
「そのうちにその子しくしくと泣きはじめたの。
『ねえ、どうしたの?』って私言ったわ。
『なんでもないんです』
『なんでもなくないでしょ。正直に言ってごらんなさいよ』
『時々こんな風になっちゃうんです。自分でもどうしようもないんです。淋しくって、哀しくて、誰も頼る人がいなくて、誰も私のことをかまってくれなくて。それで辛くて、こうなっちゃうんです。夜もうまく眠れなくて、食欲も殆んどなくて。先生のところにくるのだけが楽しみなんです、私』
『ねえ、どうしてそうなるのか言ってごらんなさい。聞いてあげるから』
家庭がうまくいってないんです、ってその子は言ったわ。両親を愛することができないし両親の方も自分を愛してはくれないんだって。父親は他に女がいてろくに家に戻ってこないし、母親はそのことで半狂乱になって彼女にあたるし、毎日のように打たれるんだって彼女は言ったの。家に帰るのが辛いんだって。そういっておいおい泣くのよ。かわいい目に涙をためて。あれ見たら神様だってほろりとしちゃうわよね。それで私こう言ったの。そんなにお家に帰るのが辛いんだったらレッスンの時以外にもうちに遊びに来てもいいわよって。すると彼女は私にしがみつくようにして『本当にごめんなさい。先生がいなかったら、私どうしていいかわかんないの。私のこと見捨てないで。先生に見捨てられたら、私行き場がないんだもの』って言うのよ。
仕方がないから私、その子の頭を抱いて撫でてあげたわよ、よしよしってね。その頃にはその子は私の背中にこう手をまわしてね、撫でてたの。そうするとそのうちにね、私だんだん変な気になってきたの。体がなんだかこう火照ってるみたいでね。だってさ、絵から切り抜いたみたいなきれいな女の子と二人でベッドで抱きあっていて、その子が私の背中を撫でまわしていて、その撫で方たるやものすごく官
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