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第93章 (第1/3页)
それに一度うまく行ったんだもの心配することないわよ。私だって結婚した当初はいろいろとうまくいかないで大変だったのよって。
『そうじゃないの』と直子は言ったわ。『私何も心配してないのよ、レイコさん。私はただもう誰にも私の中に入ってほしくないだけなの。もう誰にも乱されたくないだけなの』」
僕はビールを飲んでしまい、レイコさんは二本目の煙草を吸ってしまった。猫がレイコさんの膝の上でのびをし、姿勢をかえてからまた眠ってしまった。レイコさんは少し迷っていたが三本目をくわえて火をつけた。
「それから直子はしくしく泣き出したの」とレイコさんは言った。「私は彼女のベットに腰かけて頭撫でて、大丈夫よ、何もかもうまく行くからって言ったの。あなたみたいに若くてきれいな女の子は男の人に抱かれて幸せになんなきゃいけないわよって。暑い夜で直子は汗やら涙やらでぐしょぐしょに濡れてたんで、私はバスタオル持ってきて、あの子の顔やら体やらを拭いてあげたの。パンツまでぐっしょりだたから、あなたちょっと脱いじゃなさいよって脱がせて……ねえ、変なんじゃないのよ。だって私たちずっと一緒にお風呂だって入ってるし、あの子は妹みたいなものだし」
「わかってますよ、それは」と僕は言った。
「抱いてほしいって直子は言ったの。こんな暑いのに抱けやしないわよって言ったんけど、これでもう最後だからって言うんだで抱いたの。体をバスタオルでくるんで、汗がくっつかないようにして、しばらく。そして落ちついてきたらまた汗を拭いて、寝巻を着せて、寝かしつけたの。すぐにぐっすり寝ちゃったわ。あるいは寝たふりしたのかもしれないけど。でもまあどっちにしても、すごく可愛い顔してたわよ。なんだか生まれてこのかた一度も傷ついたことのない十三か十四の女の子みたいな顔してね。それを見てから私も眠ったの、安心して。
六時に目覚ましたとき彼女はもういなかったの。寝巻を脱ぎ捨ててあって、服と運動靴と、それからいつも枕もとに置いてある懐中電灯がなくなってたの。まずいなって私そのとき思ったわよ。だってそうでしょ、懐中電灯持って出てったってことは暗いうちにここを出ていったっていうことですものね。そして念のために机の上なんかを見てみたら、そのメモ用紙があったのよ。『洋服は全部レイコさんにあげて下さい』って。それで私すぐみんなのところに行って手わけして直子を探してって言ったの。そして全員で寮の中からまわりの林までしらみつぶしに探したの。探しあてるのに五時間かかったわよ。あの子、自分でちゃんとロープまで用意してもってきていたのよ」
レイコさんはため息をつ
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