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第2章

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    第2章 (第2/3页)

が、うまく書けなかったり間違えたりしますね。そうすると、フタを開けて、また頭を突っ込んで、消しゴムをだし、閉めると、急いで消しゴムを使い、次に、すごい早さで開けて、消しゴムをしまって、フタを閉めてしまいます。で、すぐ、また開けるので見てますと、“ア”ひとつだけ書いて、道具をひとつひとつ、全部しまうんです。鉛筆をしまい、閉めて、また開けてノートをしまい……というふうに。そして、次の“イ”のときに、また、ノートから始まって、鉛筆、消しゴム……その度に,私の目の前で、目まぐるしく、机のフタが開いたり閉まったり。私、目が回るんです。でも、一応、用事があるんですから、いけないとは申せませんけど……」 先生のまつ毛が、その時を思い出したように、パチパチと早くなった。 そこで聞いて、ママには、トットちゃんが、なんで、学校の机を、そんなに開けたり閉めたりするのか、ちょっとわかった。というのは、初めて学校に行って帰ってきた日に、トットちゃんが、ひどく興奮して、こうママに報告したことを思い出したからだった。「ねえ、学校って、すごいの。家の机の引き出しは、こんな風に、引っ張るのだけど、学校のはフタが上にあがるの。ゴミ箱のフタと同じなんだけど、もっとツルツルで、いろんなものが、しまえて、とってもいいんだ!」ママには、今まで見たことのない机の前で、トットちゃんが面白がって、開けたり閉めたりしてる様子が目に見えるようだった。そして、それは、(そんなに悪いことではないし、第一、だんだん馴れてくれば、そんなに開けたり閉めたりしなくなるだろう)と考えたけど、先生には、「よく注意しますから」といった。ところが、先生には、それまでの調子より声をもうすこし高くして、こういった。「それだけなら、よろしいんですけど!」ママは、すこし身がちぢむような気がした。先生は、体を少し前にのり出すといった。「机で音を立ててないな、と思うと、今度は、授業中、立ってるんです。ずーっと!」ママは、またびっくりしたので聞いた。「立ってるって、どこにでございましょうか?」先生はすこし怒った風にいった。「教室の窓のところです!」ママは、わけが分からないので、続けて質問した。「窓のところで、何をしてるんでしょうか?」先生は、半分、叫ぶような声で言った。「チンドン屋を呼び込むためです。」 先生の話を、まとめて見ると、こういうことになるらしかった。一時間目に、机をパタパタを、かなりやると、それ以後は、机を離れて、窓のところに立って外を見ている。そこで、静かにしていてくれるのなら、立っててもいい、と先生が思った矢先に、突然、トットちゃんは、大きい声で「チンドン屋さーん!」と外に向かって叫んだ。だいたい、この教室の窓というのが、トットちゃんにっとては幸福なことに、先生にとっては不幸

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