返回

第8章

首页
关灯
护眼
字:
上一页 回目录 下一页 进书架
    第8章 (第2/3页)

まで、トモエには、校歌って、なかった。

    今日は、トットちゃんにとって、大仕事の日だった。どうしてかっていうと、いちばん大切にしてる、お財布を、トットちゃんは、学校のトイレに落としてしまったからだった。お金は、ぜんぜんはいっていなかったけど、トイレに持っていくくらい、大切なお財布だった。それは、赤とか黄色とか緑とかのチェックのリボン地で出来ていて、形は四角いペタンコで、三角形のベロ式の蓋がついていて、ホックのところに、銀色のスコッチ?テリアの形のブローチみたいのがついてる、本当に、しゃれたものだった。だいたい、トットちゃんは、トイレに行って、用事が済んだ後、下をのぞきこむ、不思議なクセが、小さいときからあった。そのために、小学校に上がる前に、すでに、麦わらのとか、白いレースとかの帽子を、いくつも下に落としていた。今のように水洗いではなく、その頃は、汲み取り式で、下は水槽になっていたから、帽子はたいがい、そこに浮かんで、そのままになった。だから、ママは、いつも、「用事が済んでも、下を見ないこと!」と、トットちゃんに、いっていた。それなのに、この日、学校が始まる前にトイレに行って、つい、見てしまったのだ。その途端持ち方が悪かったのか、その大切なお財布が、“ポチャン”と下に落ちてしまい、トットちゃんが、「あーあ!!」と悲鳴をあげたとき、したの暗やみの、どこにも、もうお財布は、見えなかった。そこで、トットちゃんが、どうしたかって言うと、泣いたり、あきらめたりはしなくって、すぐ、小使いの小父さん(今の用務員さん)の物置に走っていった。そして、水まき用の、ひしゃくを、担いで持ってきた。まだ小さいトットちゃんには、ひしゃくの柄が,体の倍くらいあったけど、そんなこと、かまわなかった。トットちゃんは、学校の裏に回ると、汲み取り口を探した。トイレの外側の壁のあたりにあるかと思ったけど、どこにもないので、随分さがしたら壁から一メートルぐらい離れた、地面に、丸いコンクリートの蓋があり、それが、どうやら、汲み取り口らしいと、トットちゃんは判断した。やっとこ、それを動かすと、ポッカリ穴が開いて、そこは、紛れもなく、汲み取り口だった。頭を突っ込んで、のぞいてから、トットちゃんは、いった。「なんだか、九品仏の池くらい大きい」それから、トットちゃんの、大仕事が始まった。ひしゃくを中に、突っ込んで、汲み出し始めたのだった。初めは、だいたい落ちた方向のあたりをしゃくったけれど、何しろ、深いのと、暗いのと、上は三つのドアで区切ってあるトイレが、下はひとつの池になっているのだから、かなりの大きさだった。そして、頭を突っ込み過ぎると、中に落ちそうになるので、何でもいいから、汲むことにして、汲み出したものは、穴の周りに、つみあげた。勿論、一しゃくごとに、お財布が、混じって

    (本章未完,请点击下一页继续阅读)
上一页 回目录 下一页 存书签