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第10章

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「来た!来た!」ガヤガヤ言う声で、トットちゃんは、飛び起きて、校庭から門の外のところまで走って行った。ちょうど、朝もやの中に、電車が、大きな姿を現したところだった。なんだか、まるで夢みたいだった。線路のない、普通の道を、電車が、音もなく、走ってきたのだもの。この電車は、大井町の操車場から、トラクターで、運ばれてきたのだった。トットちゃんたちは自分達の知らなかった、この、リヤカーより大きいトラクターというものの存在を知って、そのことにも感動した。この大きなトラクターで、誰もいない朝の町を、ゆっくりと、電車は、運ばれて来たのだった。\ ところが、それからが大騒ぎだった。まだ大型クレーンなど、ない時代だったから、電車をトラクターから、下ろすというか、はずして、決められた校庭の隅に、移すというのが、大変な作業だったのだ。運んできたお兄さん達は、太い丸大を、何本も電車の下に敷いて、少しずつ、その上を、転がすようにして、電車を、トラクターから、校庭へと下ろしていった。「よく見ていなさい。あれは、コロといって、転がす力を応用して、あんな大きな電車を動かすんだよ」校長先生は、子供たちに説明した。子供たちは真剣に、見物した。お兄さん達の、「よいしょ、よししょ」の声に、合わすように、朝の光が、のぼり始めた。たくさんの人達を乗せて,忙しく働いてきた,この電車は、すでに、この学校に来ている他の六台の電車と同じように、車輪かはずされていて、もう走る必要もなく、これから、子供たちの笑い声や叫び声だけをのせて、のんびりすれば、いいのだった。子供たちは、パジャマ姿で、朝日の中にいた。そして、この現場に居合わせたことを、心から幸福に思った。あんまり、嬉しいので、次々に、校長先生の肩や腕に、ぶら下がったり飛びついたりした。校長先生は、よろけながら、嬉しそうに笑った。校長先生の笑う顔を見ると、子供たちも、また、嬉しくなって笑った。誰も彼もが笑った。そして、このとき笑ったことを、みんなは、いつまでも、忘れなかった。

    トットちゃんにとって。今日は記念すべき日だった。というのは、生まれて初めて、プールで泳いだのだから。しかも、裸んぼで。 今日の朝のことだった、校長先生が、みんなにいった。「急に暑くなったから、プールに水を入れようと思うんだ!」「わーい」と、みんな、飛び上がった。一年生のトットちゃん達も、もちろん、「わーい」といって、上級生より、もっと、飛び上がった。トモエのプールは、普通のみたいに四角じゃなくて、(地面の関係から、らしかったけど)先のほうが、少し細かくなってるボールみたいな形だった。でも、大きくて、とても立派だった。場所は、教室と講堂の、ちょうど、あいだにあった。 トットちゃん達は、授業中も、気になって、何度も電車

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