返回

第13章

首页
关灯
护眼
字:
上一页 回目录 下一页 进书架
    第13章 (第2/3页)

のです」と代表して、気持ちを伝え、慰めるのだった。こういうときさつは、トットちゃんは知らなかったけど、時々、ローゼンシュトックさんが、顔を真っ赤にして、頭から湯気が出るみたいになって、外国語で、どなっているのをみることがあった。そういう時、トットちゃんは、ほおづえをついて、いつも、のぞいている自分用の窓から頭を引っ込め、ロッキーと一緒に地面にしゃがんで息を潜め、また音楽の始まるのを待つのだった。でも、普段のローゼンシュトックさんは、やさしく、日本語は、面白かった。みんなの演奏がうまくいくと、「クロヤナキサン!トテモ、イイデス」とか「スバラシイデス!」とかいった。トットちゃんは、一度も練習所の中に入ったことはなかった。いつも、そーっと、窓からのぞきながら、音楽を聴くのが好きだった。だから休憩になって、みんなが煙草を吸いに、外に出たとき、「あっ!トット助、来てたのか?」って、パパが気がつくことって、よくあた。ローゼンシュトックさんは、トットちゃんを見つけると、「オハヨーゴザイマス」とか、「コニチワ」といって、もう大きくなったのに、少し前の小さかったときみたいに抱き上げて、ほっぺたをくっつけたりした。ちょっと恥ずかしかったけど、トットちゃんは、細い銀のふちの眼鏡をかけて、鼻が高く、背の低いローゼンシュトックさんが好きだった。芸術家とすぐわから、立派な美しい顔だった。洗足池のほうから吹いてくる風は、練習所の音楽をのせて、とても遠いところまで運んでいった。時々、その中に金魚~~~ええ~~~金魚!という金魚屋さんの声が、まざることもあった。とにかく、トットちゃんは、少し西洋館風で、かたむいている、この練習所が気に入っていた。

    夏休みも終わりに近くなって、いよいよ、トモエの生徒にとっては、メイン?イベントとでもいうべき、温泉旅行への出発の日が来た。たいがいのことに驚かないママも、夏休み前の、ある日、トットちゃんが学校から帰ってきて、「みんなと、温泉旅行に行ってもいい?」と聞いたときは、びっくりした。お爺さんとか、お婆さんが揃って温泉に出かける、というのなら、わかるけど、小学校の一年生が……。でも、よくよく校長先生からの手紙を読んでみると、なるほど面白そうだ、と、ママは感心した。静岡の伊豆半島に土肥というところがあり、そこは、海の中に温泉が湧いていて、子供達が、泳いだり、温泉に入ったり出来る、という、「臨海学校」のお知らせだった。二泊三日。トモエの生徒のお父さんの別荘が、そこにあり、一年から六年までの全校生徒、約五十人が泊まれる、ということだった。ママは、勿論、賛成した。そんなわけで、今日、トモエの生徒は、温泉旅行に出かける支度をして、学校に集まったのだった。校庭にみんなが来ると、校長先生は、いっ

    (本章未完,请点击下一页继续阅读)
上一页 回目录 下一页 存书签