第18章 (第2/3页)
どん流れていた。パパとママに、やっとロッキーが噛んだらしい、ということがわかったけど、とにかく、「怒らない」と約束した。それで、やっと、トットちゃんは、手を離した。ブラブラになってる耳を見て、ママは悲鳴をあげた。それから、ママが道案内をして、パパが、トットちゃんを抱えて、耳のお医者様に行った。とにかく、手当てが早かったのと、運がよかったのとで、耳は、もと通りに、つく、ということがわかった。パパとママは、やっと安心した。でも、トットちゃんは、パパとママが、「怒らない」って言う約束を守ってくれるかだけが、心配だった。トットちゃんは包帯で、頭から、あごから、耳から、グルグル巻きにされてまるで白兎のようになって、家に帰った。怒らないと約束したけど、パパは、(ひとこと、ロッキーにいわなくては気が済まない)と思っていた。でも、ママが、「約束したんだから」と目で知らせて、パパは、やっと我慢した。トットちゃんは、ロッキーに、「もう大丈夫!誰も怒っていない」ということを、早く知らせたくて、急いで家に入った。でも、ロッキーは、どこにも見えなかった。このとき、トットちゃんは、はじめて、泣いた。お医者様のところでも、一生懸命、我慢して、泣かなかったのに、泣けば、その分だけロッキーが叱られると思ったから。でもいまは、涙が止まらなかった。泣きながら、トットちゃんは、名前を呼んだ。「ロッキー!ロッキー!いないの?」何度が呼んだとき、トットちゃんの涙でいっぱいの顔が、ニッコリした。だって見馴れた茶色の背中がソファーの後ろから、少しずつ見えて来たから……。ロッキーは、トットちゃんに近づくと、包帯の隙間から見えてる、トットちゃんの、大丈夫のほうの耳を、そーっと、なめた。トットちゃんは、ロッキーの首を抱くと、耳の中のにおいをかいだ。パパもママも、「くさい」というけど、トットちゃんには、なつかしく、いいにおいだった。ロッキーもトットちゃんも疲れて眠くなった。夏の終わりの月は、前よりもっと仲良くなった、この包帯だらけの女の子と、もう絶対に「狼ごっこ」をやらない犬を、庭の少し上のほうから、見ていたようだった。
トモエの運動会は「十一月三日」と決まっていた。それは、校長先生が、いろんなところに問い合わせた結果、秋で、雨の降ることが最も少ないのが、この十一月三日とわかったので、そう決めて以来、毎年、この日にやることになっていた。前の日から、すっかり校庭にいろんな準備や飾り付けをして楽しみにしてる子供達の運動会に、できる限り雨が降らないでほしいと願う校長先生の、お天気データ集めが成功したのか、その気持ちが、空の雲や、お日様に通じたのか、本当に不思議なくらい、この日は雨が降らなかった。ところで、トモエ学園には随分いろんなことが、普通の学校と違っ
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