返回

第23章

首页
关灯
护眼
字:
上一页 回目录 下一章 进书架
    第23章 (第3/3页)

したからだった。大栄君は、大急ぎで走って来たのと、おどろいたらしいので、人の良さそうな目を、まん丸にして、それから、少し鼻をふくらませて、いった。「校長先生の家の台所のところ」「行こう!」トットちゃんは、大栄君の手をつかむと、先生の家の台所のほうに向かって走り出した。校長先生の家は、講堂の横から続いていて、お台所は、校庭の裏口に近いところにあった。いつかトットちゃんが、トイレの汲み取り口に飛び込んだとき、すっかり、きれいに洗っていただいたのも、この、お台所からはいった、お風呂場のところだったし、お弁当のときの「海のもの」と「山のもの」の、おかずが出来るのも、この、お台所だった。そーっと、二人が足をしのばせて、近づくと、閉まってる戸の中から、本当に、校長先生の怒ってるらしい声がした。その声は、いった。「どうして、あなたは、そんなに、気軽に、高橋君に、「しっぽがある」なんて、いったんですか?」その怒ってる声に、トットちゃん達の受け持ちの女の先生の、答えるのが聞こえた。「そんな深い意味じゃなく、私は、高橋君が目に入って、可愛いと思ったので、いっただけなんです。」「それが、どんなに深い意味があるか、あなたには、わかってもらえないんですか。僕が、どんなに、高橋君に対しても、気を配っているか、あなたに、どうしたら、わかってもらえるんだろうか!」トットちゃんは、今日の朝の授業のときのことを思い出した。今朝、この受け持ちの先生は、「昔、人間には、しっぽが、あった」という話をしてくれたのだった。これは、とても、楽しい話で、みんな、気に入った。大人の言葉で言えば、進化論の初歩の話、ということになるのだろうけど、とにかく、とても珍しい事で、特に、先生が、「だから、今でも、みんなに、ビテイコツ、というのが、残っているんです」といったときは、トットちゃんをはじめとしてみんな、お互いに、どれが、ビテイコツか、で、教室は、大騒ぎになった。そして、その話の最後のとき、その先生が、冗談に、「まだ、しっぽの残ってる人も、いるかな?高橋君は、あるんじゃないの?」といったのだった。高橋君は、急いで立ち上がると、小さい手を振って、真剣に、「ありません」といった。そのときのことを、校長先生が怒っているのだ、と、トットちゃんには、わかった。校長先生の声は、怒ってる、というより、悲しそうな声に変わっていた。「あなたには、高橋君が、あなたに、尻尾がある、といわれて、どんなに気がするだろうか、と考えてみたんですか?」女の先生の、返事は聞こえなかった。トットちゃんには、どうして、校長先生が、こんなに、この、しっぽのことで、怒るのか、わからない、と思った。(もし、私が、先生から、しっぽがあるの?と聞かれたら、うれしくなっちゃうのにな)確かに、そうだった。
上一页 回目录 下一章 存书签