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第31章 (第1/3页)
芝居だ!学芸会だ!」トモエはじまって以来のことだった。お弁当の時間に、みんなの前で、毎日だれかが、一人ずつ出て、おはなしする、というのは、ずーっと続いていたけど、お客さんも来て、講堂の、いつも校長先生が、リトミックのとき弾く、グランドピアノの乗っている小さいステージの上で、芝居をやるなんて……。とにかく、芝居というものを見たことのある子は、誰もいなかった。トットちゃんだって、バレーの「白鳥の湖」のほかは、見たこと一度だってなかった。それでも、とにかく、学年別に、出し物が検討された。そして、およそ、トモエらしくないけど、教科書に、載っていたかなんかで、トットちゃんのクラスは、「勧進帳」と、決まった。そして丸山先生が、指導してくださる事になった。弁慶は、背も高く、体も大きい税所愛子さんが、いい、という事になり、富樫は、一見まじめで、大きい声の、天寺君に決まった。そして、義経は、みんなの相談の結果、トットちゃんがやることになった。残りのみんなは、山伏の役だった?さて、稽古が始まる前、みんなは、まず、セリフというのを、おぼえなくちゃならなかった。でも、トットちゃんと、山伏は、セリフがないので、とてもよかった。なぜなら、山伏は、芝居のあいだじゅう、黙って立っていればよかったし、トットちゃんは、富樫の守っている「安宅の関」を、うまく通るために、弁慶が、主人である義経を、ぶったりして、「こんなのは、ただの山伏です」、という話だから、義経のトットちゃんは、ただ、うずくまっていれば、いいのだった。弁慶の税所さんは、大変だった。富樫と、いろいろ、やりとりがある他に、何も書いてない巻物を取り出し、富樫が、「読んでみてください」というから、「そもそも、東大寺建立のため……」とか、即興に、自分で作って、必死に読んで、敵の富樫を感動させる、という、難しいところがあるので、毎日、「そもそも……」といっていた。富樫役の天寺君だって、弁慶は、やりこめなくちゃならないセリフが、たくさんあるので、フウフウいっていた。さて、いよいよ、稽古が始まった。富樫と弁慶が、向かい合わせになり、弁慶に後ろに山伏が、並んだ。トットちゃんは、山伏の先頭にいた。ところが、トットちゃんは、話が、わかっていなかった。だから、弁慶が、義経のトットちゃんを、つきとばし、棒でぶつと、猛然と、抵抗した。税所さんの足を、けっとばしたり、引っかいたりした。だから、税所さんは泣くし、山伏は、笑った。本当なら、どんなに弁慶が義経を、ぶっても叩いても、義経が、されるままになっているので、富樫が、弁慶の心の中の、つらさを思いやって、結局、この、「安宅関」を、通してやる、という芝居だから、義経が、反抗したのじゃ、芝居にならないのだった。丸山先生は、トットちゃんに説明した。でも、トットちゃんは、絶対に、「税所さ
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