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第31章

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    第31章 (第3/3页)

色で、ツルツルの木の床に、はくぼくで書くのは気持ちがよかった。広い講堂に、トットちゃんのクラスの十人ぐらいが、ばらばらに散らばっているのだから、どう名に大きい音符を書いても、他の子に、ぶつかる事はなかった。音符といっても、五線を書く必要はなく、ただ、リズムを書けばいいのだった。しかも、それは校長先生とみんなで話し合って決めた、トモエ流の呼びかたの音符だった。例えば、  は、スキップ(スキップして、飛べはねるのにいいリズムだから)  は、ハタ(旗のように見えるから)  は、ハタハタ   は、ニマイバタ(二枚の旗)  は、黒\   は、白  は、白に、ほくろ(たまは、しろてん) 。マル(全音符のこと) ……と、こんな風だったから、とても音符に親しめたし、面白かったkら、この時間は、みんなの楽しみな授業だった。床に、白墨で描く、というのは、校長先生の考えだった。紙だと、どんどん、はみ出しちゃうし、黒板では、みんなが書くのに、数が足りなかった。だから、講堂の床を、大きい黒板にして、はくぼくで書けば、「体も自由に動かせるし」「どんなに早いリズムでも、どんどん書けたし」「大きい字で、かまわなかった」。何よりも、のびのびと、音楽を楽しめるのが、よかった。そして、少し時間があると、ついでに飛行機だの、お人形さんだのの絵も、描いて、かまわなかった。だから、ときどき、わざと、隣のこのところまで、つづくようにして、みんなが、つなげっこをして、講堂中が、ひとつの絵になることも、あった。音符の授業は、音楽がひつ区切りすると、校長先生が降りて来て、一人ずつのを見て廻る、というやりかただった。そして、「いいよ」とか、「ここは、ハタハタじゃなくて、スキップだったよ」とか、いってくださった。そして、みんなが、ちゃんと直すと、先生は、もう一度、弾いて、みんなも、そのリズムを正確に、たしかめて、納得するのだった。こういうとき、校長先生は、どんなに忙しくても、人任せにすることは、絶対になかった。そして、生徒たちも、小林校長先生じゃなくちゃ、絶対に、面白くなかった。ところで、この音符のあと、掃除が、かなり、大変だった。まず、黒板消しで、はくぼくを拭き、そのあとは、みんなが共同で、モップだの、お雑巾だので、すっかり、床を、きれいにするのだった。それでも、講堂中全部を拭くのは、大事だった。こんなわけで、トモエのみんなは、「らく書きゃ、いたずら書きをしたら、あとが大変!」と知っていたから、講堂の床以外では、しなかったし、第一に、一週間に、二度くらいある、この授業で、らく書きの楽しみは、もう、充分に満たされていた。トモエの生徒は、「はくぼくの感触って、とういうの」とか、「どう握って、どう動かせば、うまく書けるか」とか、「はくぼくを折らない方法」とかを、本当に、よく知っていた。
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