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第44章

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」と直子が言った。

    でも僕には明るい話の持ち合わせがなかった。突撃隊がいてくれたらなあと僕は残念に思った。あいつさえいれば次々にエピソードが生まれた、そしてその話さえしていればみんなが楽しい気持になれるのに、と。仕方がないので僕は寮の中でみんながどれほど不潔な生活をしているかについて延々としゃべった。あまりにも汚くて話してるだけで嫌な気分になったが、二人にはそういうのが珍しいらしく笑い転げて聴いていた。それからレイコさんがいろんな精神病患者の物真似をした。これも大変におかしかった。十一時になって直子が眠そうな目になってきたので、レイコさんがソファーの背を倒してベッドにし、シーツと毛布と枕をセットしてくれた。

    「夜中にレイプしにくるのはいいけど相手まちがえないでね」とレイコさんが言った。「左側のベッドで寝てるしわのない体が直子のだから」

    「嘘よ。私右側だわ」と直子は言った

    「ねえ、明日は午後のカリキュラムをいくつかパスできるようにしておいたから、私たちピクニックに行きましょうよ。近所にとてもいいところがあるのよ」とレイコさんは言った。

    「いいですね」と僕は言った。

    彼女たちがかわりばんこに洗面所で歯をみがき寝室に引き上げてしまうと、僕はブランディーを少し飲み、ソファー?ベッドに寝転んで今日いちにちの出来事を朝から順番に辿ってみた。なんだかとても長い一日みたいに思えた。部屋の中はあいかわらず月の光に白く照らされていた。直子とレイコさんが眠っている寝室はひっそりとして、物音らしきものは殆んど何も聞こえなかった。ただ時折ベッドの小さな軋みが聞こえるだけだった。目を閉じると、暗闇の中でちらちらとした微小な図形が舞い、耳もとにレイコさんの弾くギターの残響を感じたが、しかしそれも長くはつづかないかった。眠りがやってきて、温かい泥の中に僕を運んでいった。そして僕は柳の夢を見た。山道の両側にずっと柳の木が並んでいた。信じられないくらいの数の柳だった。けっこう強い風が吹いていたが、柳の枝はそよとも揺れなかった。どうしてだろうと思ってみると、柳の枝の一本一本に小さい鳥がしがみついているのが見えた。その重みで柳の枝が揺れないのだ。僕は棒切れを持って近くの枝を叩いてみた。鳥を追い払って柳の枝を揺らそうとしたのだ。でも鳥は飛びたたなかった。飛び立つかわりに鳥たちは鳥のかたちをした金属になってどさっどさっと音を立てて地面に落ちた。

    目を覚ましたとき、僕はまるでその夢の続きを見ているような気分だった。部屋の中は月のあかりでほんのりと白く光っていた。僕は反射的に床の上の鳥のかたちをした金属を探し求

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