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第92章

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    第92章 (第3/3页)

れもものすごくくわしく話すの。どんな風に服を脱がされて、どんな風に体を触られて、自分がどんな風に濡れて、どんな風に入れられて、それがどれくらい素敵だったかっていうようなことを実に克明に私にしゃべるわけ。それで私、ねえ、どうして今になってそんな話するのよ、急にって訊いたの。だってそれまであの子、セックスのことってそんなにあからさまに話さなかったんですもの。もちろん私たちある種の療法みたいなことでセックスのこと正直に話すわよ。でもあの子はくわしいことは絶対に言わなかったの、恥ずかしがって。それを急にべらべらしゃべり出すんだもの私だって驚くわよ、そりゃ。『ただなんとなく話したくなったの』って直子は言ったわ。『べつにレイコさんが聞きたくないならもう話さないけど』

    『いいわよ、話したいことあるんなら洗いざらい話しちゃいなさいよ。聞いてあげるから』って私は言ったの。

    『彼のが入ってきたとき、私痛くて痛くてもうどうしていいかよくわかんないくらいだったの』って直子が言ったわ。『私始めてだったし。濡れてたからするっと入ったことは入ったんだけど、とにかく痛いのよ。頭がぼおっとしちゃうくらい。彼はずっと奥の方まで入れてもうこれくらいかなと思ったところで私の脚を少し上げさせて、もっと奥まで入れちゃったの。するとね、体中がひやっと冷たくなったの。まるで氷水につけられみたいに。手と脚がじんとしびれて寒気がするの。いったいどうなるんだろう、私このまま死んじゃうのかしら、それならそれでまあかまわないやって思ったわ。でも彼は私が痛がっていることを知って、奥の方に入れたままもうそれ以上動かさないで、私の体をやさしく抱いて髪とか首とか胸とかにずっとキスしてくれたの、長いあいだ。するとね、だんだん体にあたたかみが戻ってきたの。そして彼がゆっくりと動かし始めて……ねえ、レイコさん、それが本当に素晴らしいのよ。頭の中がとろけちゃいそうなくらい。このまま、この人に抱かれたまま、一生これやってたいと思ったくらいよ。本当にそう思ったのよ』

    『そんなに良かったんならワタナベ君と一緒になって毎日やってればよかったんじないの?』って私言ったの。

    『でも駄目なのよ、レイコさん』って直子は言ったわ。『私にはそれがわかるの。それはやって来て、もう去っていってしまったものなの。それは二度と戻ってこないのよ。何かの加減で一生に一度だけ起こったことなの。そのあとも前も、私何も感じないのよ。やりたいと思ったこともないし、濡れたこともないのよ』

    もちろん私はちゃんと説明したわよ、そういうのは若い女性には起こりがちなことで、年を取れば自然になおっていくのが殆んどなんだって。
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